【第11話】周りの劇団員のデビュー、嫉妬、妬み
同期のS君がなんといきなりの大抜擢。
ドラマの役に選ばれ数ヶ月ドラマ撮影で仕事に呼ばれた。私たち同期の中では1番の出世だったので、皆で喜び祝福した。実際仲間のデビューは喜ばしいことだったのだが、内心はすごく嫉妬した自分がいた。何でS君が選ばれるんだと、、、。現にスタートした時、私もS君も素人でいつも仲間だと思い顔を合わせ身近にいた。S君は身長178センチで体重65キロ、物静かな人間で真面目な子。レッスンにも毎回出ていていた。私と体格はほぼ同じで、違うところはレッスンの回数と真面目さではないかと自己分析した。
S君とは第9章でも話した通り同じ舞台でも経験した仲間である。世の中にはこの人には到底かなわないなと思う天才はいる。もちろん影ながらの努力や練習はしていると思うが、先天的な才能があり、練習でも努力でも並ぶことができないくらい差が開いてるから天才なのだ。そんな天才には嫉妬や妬みの感情は湧かない。圧倒的な天才であれば。ただS君は私とほぼ同じ身長や体格、なおかつ素人で普段そんなに目立つほうでもないのだ。だからこそ何で自分じゃないんだと悔やんでいた。そして嫉妬した。
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