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【第13話】1138事件 やる気どん底

【第13話】1138事件 やる気どん底)

周りも少しずつ売れ出し、次は自分だと思いながらレッスンに取り組んでいた。そんな時、忘れることの出来ない衝撃的な事件が起こる。私はこの事件を(1138号事件)と呼んでいる。東京という街は色々な種類の人達の集まりだ。私もいつかスターにと思いアンテナを張っていると色々な話が入ってくる。やはり、役を貰いやすくするには先輩俳優とは仲良くした方がいいとか、付き合いは断らない方がいいとか、男女の問題を起こすと事務所から睨まれ仕事がもらいにくくなるとか聞きました。そんな中、ある事件は起きたのです。ある飲み会がありました。そこにはTV関係者、お偉いさん、監督、TV関係者のスタッフさん、プロデユーサーと呼ばれている偉い方などなど、要するにTVを作る制作側の人達との飲み会である。こんな機会滅多に出くわすこともないので少しでも印象を残してやろうと、今思うと張り切っていた。22時から宴会スタートし、1次会、2次会、3次会とTV業界の未来や、視聴率を上げるためのこと、役についての見所など、とても熱く語られていた。私が目指す先の人達の話も聞けてとても刺激的かつ勉強になった。そんな中、私にできる事と言えば、一生懸命耳を傾け、お酒をお偉いさんにつぐということぐらいだった。そしてもらったお酒は必ず一気に飲むということぐらいだった。もう夜中3時を回ったぐらいで皆いい感じに酔っ払って盛り上がっていた。そんな中、一人のTV関係のお偉いさんに呼ばれた。そのお偉いさんに再度お酒を注いで一緒になり話を真剣に聞いていた。しばらくするとその方に横に座るように促されお酒を注いだ。横に座り10分前後たったころであろうか、、、そのお偉いさんより、TVに出演したいか?芸能界で売れたいか?と質問された。私はもちろんハイと答えた。するとその方が席を立たれ、今からいきつけのBARがあるのでついて来るように言われた。私は言われるがまま断れず、ついて行くことになった。西麻布の高級感漂う薄暗いBARだったのを覚えている。そこからの会話内容はあまりしたくないような内容である。まー、一言で言えばその方自慢話、私はこの芸能人を世に出したとか、私はこの監督と繋がりがあるとか、、、聞いてもない過去の武勇伝を聞かされた。何とも苦痛な時間が流れました。何か会話する訳でもなく。カウンターで横に座り、頭の天辺から足のつま先まで何度も何度もジロジロ見られていた。それからボディタッチがやたらと増えて行く。何故か知らないがガタイが良いねとなり無駄に肩をさすられる時間が増えた。目線をすごく感じたが、怖くて合わせられなかった。私もお偉いさんと初対面という事もあり我慢していた。会話の警察の取り調べではないかというぐらいに色々な質問をされた。身長や体重、趣味や休日の過ごし方、住んでる地域、両親の仕事や家族構成、好きな男性、女性のタイプ、好きな食べ物などなど、全く仕事には関係ないプライベートの質問だったのを覚えている。一通り質問タイムが終わりお酒を飲み終わるとBARのスタッフを呼びタクシーの手配をされていた。それから帰り際に、もし売れたかったら30分以内にココにきなさいと、あるホテルの鍵(1138号室)を私のズボンのポケットに押し込まれた。本人は会計を済まされタクシーに乗り込まれ、またねと笑顔で手を振り乗って行かれた。これが(1138事件)である。この時、何が何だか分からなかった。ただ、感情としてはっきり覚えているのは、やはり若さという事もあり、気持ち悪いが先だった。それと耳にずっと残っていたのがまたねという言葉と、帰り際のオヤジのブサイクな顔であった。ただそれから少し冷静になりこんな考え方も出てきた。TV関係のお偉いさんからのお誘いだったので、もし仮に1138号室に行ってたとしたら、TVのお仕事が入るのではないか。有名な監督を知ってるとのことだったので、俳優としての近道でデビューできるのではないか。映画、舞台の仕事も来るかもしれないなどと、多少の葛藤もなかった訳でもないが、あのオヤジの言いなりにはなりたくないな。それと気持ち悪いなが圧倒的にまさっていたのでもちろんホテルには行かずに帰宅した。私はお偉いさんを凄い方だと聞いていたが、ただの男好きの変態オヤジだと思った。今思うと、もし仮にお偉いさんの1138号室の扉を開けてたら、私の人生も違った意味で変わってたのかもしれない(笑)

 

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